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平成26年6月10日、第二次「防長史談会」が大阪を拠点に発足しました。
 本会の開催は、時勢の必要に迫られて起ったもので、一朝一夕の事ではありません。回顧すれば明治維新に始まる近代日本の歩みとは、「王政復古」と「王政維新」という言葉に端的に表れているように、日本の独自性の追求と、西欧中心の国際秩序の中で「文明国」としての水準を充たしてゆくという、相反する方向性を同時に充たしてゆく困難な道のりでありました。その中で我々の先人たちは内政・外交課題を一つずつ克服して国の独立を護り抜いてまいりました。
 翻って、今日の社会の状態を観察すれば、「公共心」などの美徳は意識の遥かに後退し、「権利」の名のもとに自らのエゴを押し通すような風潮が蔓延しています。また、外交においても理を曲げて一時の安逸を貪るが如き政治家も少なくありません。
 このような上下挙げて日本人としての品格を落としてしまったこのような時期、歴史を顧みることは一つの品性を我々に与えるものと考えます。先人の嘉言善行を知ることは、いうなれば今の時代において過去の偉人との対話を可能にし、自然品性の陶冶となるものと信じます。
 今日、政界、官界、経済界、学界などに防長出身者の諸賢が満ちております。しかし、盛時は久しからず満れば欠けるは世の習い、今後先輩の衣鉢を継承し、さらに若い人たちにそれを繋いでいくのは我々の責任ではないでしょうか。明治維新150年を前に、本会が私たちが誇りと使命をもう一度深く自覚する場に出来ればと思っております。
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